念願の公式戦初勝利。ナインが歓喜の声を上げベンチを飛び出していくなか、オリッ

全国高校野球選手権和歌山大会 ▽2回戦 和歌山南陵8―7新宮(18日・紀三井寺

 念願の公式戦初勝利。ナインが歓喜の声を上げベンチを飛び出していくなか、オリックス2軍監督などを歴任した岡本哲司監督(56)は「簡単には勝たせてくれませんね」と、息をふーっと吐き出した。リードしては追い付かれる展開を繰り返し迎えた7―7の延長11回。適時内野安打で勝ち越すと、エース右腕・水原伶(2年)が11回を12安打7失点で完投した。

http://www.68newspaper.net/article_detail.php?article_id=5483 http://www.68newspaper.net/article_detail.php?article_id=5484  昨年4月、1期生の40人で野球部創部。同9月には元日本ハム投手・田中幸雄氏(58)が加わり、今年4月から助監督に就任した。現役時代、190センチの大型右腕として活躍した田中助監督が投手陣に課したのが、日々の練習後、疲れ切った状態で行う50メートルの坂道ダッシュだ。「投手にはピンチで負けない気持ちが必要だと言われました」と水原。多い時には100往復も走り続けた成果が、170球を投げきる心身の粘りとなって表れた。

 スタンドから試合を見守った田中助監督は「もっと簡単に勝たないといけなかった。でも、今日は勝ったことに意義がある」と合格点を与えた。次戦は強豪・智弁和歌山が相手だが「楽しみですね」と岡本監督。勢いそのままに、次は大金星を狙う。(種村 亮)

 ◆岡本 哲司(おかもと・てつじ)1961年3月15日、和歌山・有田郡生まれ。56歳。吉備高(現・有田中央高)から神戸製鋼に進み、84年ドラフト6位で捕手として大洋入団。90年に日本ハムに移籍し、96年引退。引退後は日本ハム、横浜、オリックスでコーチ、2軍監督などを歴任。通算89試合で打率1割6分8厘、0本塁打、5打点。右投右打。

http://ahoeruaor.asks.jp/610.html http://ahoeruaor.asks.jp/477.html  ◆田中 幸雄(たなか・ゆきお)1959年2月27日、千葉・流山市生まれ。58歳。流山高から電電関東に進み、81年ドラフト1位で日本ハム入団。86~89年は同姓同名でのちに2000安打を達成する内野手田中幸雄と共にプレー。90年に中日に移籍し、翌年引退。その後は日本ハムコーチなどを歴任。通算214試合に登板し25勝36敗16セーブ、防御率4・23。右投右打